このあいだちょっと言ってた、短編の蛇足、とちゅうまで書いた。
でも明日の夜には京都を出るのでおそらく書き終われないのでとちゅうまで載せときます。
たぶんまだ書き直すし、いつも通り変換前の名前で固定してるので梓になってます、何卒。
数年ぶりに再会をした鈴木財閥のお嬢様、鈴木園子ちゃんとそのお友達の毛利蘭ちゃんに連れられてやってきた蘭ちゃんの家の一階にある喫茶店。
園子ちゃんいわく新しい店員さんがイケメンで、そのうえその人が作るサンドイッチがとてもおいしいらしい。
午前十一時過ぎ。確かに朝ごはんはすでに食べているし、お昼ご飯と言うには少し早い。サンドイッチならちょうどよさそうと思っていたら、噂の店員さんを見て驚きを隠せなかった。
二人とも目の前の彼を見ていたからおそらく気付いてはいないだろう。でも目の前の彼には間違いなく見られた。それでも彼は口を挟まずに園子ちゃんに紹介をされていたので、私も彼の事を知らないフリをしようと決め込んだ。
「よろしくお願いします、梓さん」
にこやかな表情は私の知っている「安室透」とは少し違う。私を見ても眉一つ動かさない表情からは彼の心は全く読めない。
彼は当時からとても優秀な人だったと思う。彼と一緒にいた時間は決して長くは無かったけれど、その多彩な才能、膨大な知識、どれをとっても新人と一括りにするには全てが逸脱していた。
そんな彼に唯一、人間らしさがあったと言えば少し熱くなりやすいところだった。私が「それは安室透じゃなくて貴方だよ」と指摘をするとよく唇を尖らせては何かと理由をこじつけて指摘を否定しようとしていた。まあ、その姿もまた様になっているのだからイケメンと言うやつは面倒だ。
しかしそんなムキになりやすかった、意外と顔に感情が出やすかった彼はもう其処には居ない。
あれから数年。文字通り、彼にはこの数年間に色々あったのだろう。
その出来事一つ一つが彼を強くし、彼を苦しませ、経験となり、彼から人間らしさを無くした。
「こちらこそ、よろしくお願いします。安室さん」
しっかりと目が合ったまま、彼に倣ってほほ笑む。二回目の初めましてはお互い初対面を装い、波風も立たずに過ぎていくと思った。
「と、言うよりはお久しぶりですね。僕のこと忘れてしまいましたか?」
肩をすくめ、困ったように眉をはの字にして笑う彼は予想もしていなかった。
どう考えても今の流れは初対面の挨拶を済ませて、店内に案内する流れでしょうに。彼の職業上、彼が「安室透」と名乗っている限り、あれを無かった事にしている方がお互い都合がよいはずなのに。なぜ彼は知らんぷりをやめたのか。
彼の予想だにしていなかった行動に動揺が隠せない。明らかに挙動不審な私を目下に、私の返答を待つ目の前の男は変わらず涼しげな表情をしていた。
人間驚き過ぎると本当に言葉が出ないらしい。喉からひゅ、と音が出るがどう答えればいいのかわからず視線を彷徨わせていると、助け舟が隣から出た。
「安室さん、梓さんと知り合いだったの!?」
園子ちゃんの野次馬心をくすぐったのが、園子ちゃんが横から顔を近づけてきた。しかしこの質問についても慎重になった方がいいはず。彼が何を考えているかわからない今、結局どう答えたらいいのかわからない。園子ちゃんの方に顔を向けていた私は、横目でちらりと件の男を見るもニコニコと静観するのみ。園子ちゃんの助け舟は泥舟だった……とは言わないが、万事休す。縋る思いでもう一度彼を見た。ばっちりと目が合うと、笑みを深くして爆弾を落とした。
「ええ、元カノです」
さりげないウインク付きで放たれた言葉に店内のいたるところから悲鳴があがる。隣の園子ちゃんも耳がキーンとするぐらいの大声をあげた。
目の前の男は何を言っているんだろう。自分にまるで矢でも刺さっているようだ。私を見定めるような視線を全身に浴びる。今すぐこの店を出たい。目だけを動かしてぐるりと店内を見渡せば、カウンターに少し男性がいるものの大半は女性だった。この居づらい空気、刺されるような視線から早く解放されたい。数年ぶりに再会した彼の意図が分からないまま、ようやく四人掛けのテーブルへと案内された。
ここまで~~
ちなみに、緋色前に出会わせようかと思ったんですけどね、
アクセル踏み込む降谷零思い出して、もし映画の前に再会してたら、あそこで踏み込むことはできないんじゃ……しぬかもしれないのに自分から突っ込めるって、生に未練がない一面もあるのではと思った。
ので生きることに執着するのはやっぱり映画のあとじゃないかな、と。アクセル踏み込むのためらっちゃだめだよれ~くん。
すみませんねむたみの極みねむいだから文章変だったら申し訳ねぇ
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